2013年9月1日日曜日

検索エンジンと商標権侵害

ソシデアは弊所の登録商標です!

「うわ、このお店、うちと同じ商品名じゃん。しかも、うちのお店よりも、検索順位が上だし・・」

Googleで、あなたの会社の商品名を検索してみてください。その商品名が、一般的に採用されそうなネーミングであれば、すぐに、同じ商品名で他社の商品が検索結果として、列挙されてくるでしょう。

検索エンジンの普及により、商標権侵害の調査が一般の方でも簡単になりました。

単に、検索窓に、自分の商標を入力して、検索ボタンを押すだけです。これは、商標権者にとっては侵害者をすぐに特定することができるということ。

宮崎等の地方では、残念ながら知財リテラシが高いとはいえないため、商標権を取得せずに、商品やサービスの販売をしていることも多いのが現状です。ですので、東京などの都会の商標権者に、商標権の侵害の疑義があるとして、警告状が送られてくることも多々あります。

これに加えて、昨今の検索エンジンの普及により、特許事務所などの専門家に頼まなくても、自分の商品と同一又は類似の商品またはサービスで、商売を行っている会社を探すことが容易になりました。

「いや、うちは、この商標権者の出願よりも前に、商品の販売をしているから大丈夫ですよ。」

登録商標と同じような商品名を使っている場合に、このように、おっしゃる経営者さんも多いです。実際、商標法上でも「先使用権」という権利が認められていて、商標出願よりも前に、その商標を使用し続けている場合は、商標権者に対して対抗することができます。

しかし、先使用権が認められるためには、「周知性」と呼ばれる条件をクリアしていなくてはなりません。周知性とは、その商品名が、複数の近接都道府県で、その会社の商品やサービスとして、有名であることです。地方の多くの商店では、この要件をクリアするのが難しい・・。実際に、過去に、複数の近接都道府県で知られていたとしても、それを、証明することも難しい・・。

というわけで、先使用権による、対抗も困難な場合も多いというのが私の経験です。

また、サービス業の場合は、商標権侵害の疑義があっても、継続的使用権という権利により対抗することができます。これは、サービスマークの登録制度が導入された1992年9月30日前から継続してサービスマークを使用していた場合は、これを継続して、使用することができるというものです。

しかし、1992年は、既に20年以上も前ですので・・これに該当する商店も少ないし、継続して20年間業務を行っていること、及びこれを証明すること・・が困難であるというのが現実ではないでしょうか。

といったわけで、普通に、商標を申請しましょうよ。信用が蓄積してから商品名を変えるのは、至難の技です。愛着もあります。その信用を知的財産=ブランドという形で、財産化する考え方を、これからの中小企業は身につけていきたいですね。