2013年5月5日日曜日

企業の創造を喚起する。それが弁理士です。


創造的なデザインを喚起するセミナーを工業デザイナの松熊さんと一緒に企画させて頂きました!


「弁理士さんて、特許出してもらって商売しているんですよね。その場合、特許性が厳しい発明の相談はどうするのですか?」

そうなんです。僕ら弁理士は、ジレンマを抱えています。

発明や考案の調査能力が高い弁理士ほど、お客さんが提案するアイデアと同一又は類似の発明を探すことができます。

しかし、探しあててしまっては、特許出願はされなくなってしまいますから、仕事がなくなってしまうのです・・。

とはいえ、我々の仕事は、国家資格です。利益を追求する株式会社ではありません。ですので、特許性が厳しくても、見て見ぬふりをして特許を出してしまう・・といったことは、さすがに出来ません。


では、特許性が厳しい場合に、どのような対応をするのか?

従来の弁理士は、「調査の結果、新規性(発明が新しいこと)がなさそうですし、仮に新規性があっても、進歩性(発明が進歩的なこと)が厳しいので、残念ながら特許は出せません」(以上!)という形で、お帰りいただいていました。

これからの弁理士は、どのような対応をするのか?

「今回、ご提案いただいた発明自体は、新規性はわずかに有りそうですが、高額を払って特許を出すのであれば、もう少しだけ飛躍したアイデアもいれこんではいかがでしょうか?今回の部分のみで、特許を挑戦すると、NGだったときに、どうしようもありません。ですが、その新規の部分をさらに進めたアイデアが2,3入っていれば、審査中に発明を限定していくことで、特許率が高まります。」

「今の新規と思われる部分は、こういった方向です。ですので、この方向をさらに進めるアイデアを、いくつか社内でブレスとしてみてはいかがでしょうか?」

このように提案すると、ただ単に、特許性がない!と断れられるよりも、やってやる!という気になりませんか?

特許は成立まで50万円近くかかります。決して、安いお金ではないですので、出すときに、少しでもアイデアを加えて、特許を成立させる工夫が必要でしょう。

また、中小企業は、忙しい毎日を過ごしていると、新規な製品アイデアのブレスト会議をやるきっかけが見つかりません。そのような会議は、いつでもよいので、他の仕事に比べて、優先順位がつい、下がってしまうのです。

ですので、「今度、弁理士さんが来るまでにブレストをやっておこう!」と経営者に思わせることは、とてもよいきっかけになります。さらに、「今度来た時には、弁理士さんをあっと言わせる、アイデアを考えておこう!」というように、モチベーションが上げられれば、なお、素晴らしいことです。

特許を出して、取得することも大事ですが、実は、それ以上に、自分たちの会社の仲間と、常に新しいアイデアを出しあうような時間をもったり、モチベーションを高めたりすることが、何より大事です。

そういった視点で、弁理士を活用いただければ、弁理士も、ただの手続き代理人さん、の地位を変えることができるように思います。

未来を創造することを喚起する士業、それが弁理士であって欲しいし、それが弁理士の使命だと思います。

是非とも、あなたの未来を創る弁理士をご活用ください!