2013年2月21日木曜日

ブランドイメージがまだない場合に商品価値を上げるには


「私みたいな実績もない個人が、いくらいい物を発明して、販売しても、買い手にはどんなにいいものか伝わらないんです。例えば、過去に有名な販売実績があったり、どこどこの教授だとか、その業界の権威であったりすれば、買い手も話をきこうという気になりますが、今の段階では、物を提供する側に、買い手を信用させる理由付けがないので難しいです。」

元社会保険労務士のHさんは、福祉関係の企業を顧客としていたため、自らも福祉関係の器具を発明するようになりました。その発明品は、私も目をみはるほどの効果があります。しかし、物がどんなに良くても、売ることとは別の”信用”という側面も。

「なので、株式会社を立ち上げたり、説明のためのパンフレットを作成したり、SGマークの取得をしたり、特許を取得して、製品の客観的な信用を高めています。少しづつですけどね。」


福岡の発明家、Nさんは、写真の物体の開発者。これ、なんだと思いますか?全方向に音が飛ぶスピーカなんです。聴く場所を選ばず、立体的に音が聴こえるため、部屋のオーディオとしても最適であることはもとより、オルガン等のコンサートにも利用されるということ。インテリアとしても格好良いですよね。「SOGNA」というブランドで販売しています。

「このスピーカを開発したことで、自分自身が、しっかり商売しなきゃなって、思っているんです。試行錯誤を重ねて、なんとか、これだけの商品に到達できたので、この商品に自分が追いつくように、会社の足腰をしっかり固めたいと思っています。」

商品力により、会社や社長さんの襟元が正されるって、素敵ですよね。

「僕は、過去の販売実績やブランドががないので、この商品を東京で売ろうとしても、とても難しいんです。先日、欧州のデザイン見本市に、出店しないかと言われました。欧州で販売実績が出れば、日本の人も買ってくれる。つまり、商品価値を純粋に見るのは欧米の人のほうが残念ながら優れているので、向こうの方が成功しやすいのではないかと思います。」

日本情けない?というのは言いすぎかもしれませんが、なにも、東京を頂点とする理由は全くなく、むしろ、欧州で成功して、アジアに展開のほうが、よっぽど、将来性のある成功のようにも思えます。特に、このようにデザイン性の優れて商品は、欧米向きとも言えるのでしょう。

商品価値を上げるための工夫は、その商品を誰が求めているか?という視点が大事なのだと感じました。