2011年12月21日水曜日

学ぶために作る

「アイデアの良さを伝えるために何かを作るのではなく、それがどんなものであるべきかを考えるために何かを作るんです。」

クーリエ・ジャポンという雑誌が、講談社から出ています。私は、政治やグローバル社会の詳細を知るために、800円するこの雑誌を買うほど、心と懐の余裕がなく、本屋に並んでいても、いつも通りすぎる雑誌でした。

ですが、2012年1月号は、創刊6周年特大号で、MIT(マサチューセッツ工科大学)の特集を中心に未来のモノづくりについて、書かれています。エンジニアの将来が不安だったり、モノづくりって、今後も大丈夫なのだろうか?と思う理系出身の方には、お薦めしたい。

カルフォルニア州に本社を置く、デザイン会社「IDEO」のCEOであるティム・ブラウンは、迅速なプロトタイプ制作を行なって、デザイン思考でソリューションを提供する。

「誰も製作途中のプロトタイプをCEOに見せようとはしません。批判されたくないからです。」

「でも、本来、人は、アイデアの良さを伝えるために何かを作るのではなく、それがどんなものであるべきかを考えるために何かを作るべきです。」


そういえば、手を動かすこと、やめていませんか?


”アイデア”や”知”ということにこだわっている自分には、耳が痛い話です。

まず、モノをつくってみて、それから、学んで、さらに、知を掘り下げて・・。


聞いてみると当たり前のようにも思いえますが、みなさんも私と同様に、なかなか、腰が重く、手が動かせないのでは。

スタンフォード大学の学生であるフェロス・アブーカアディジエは、即時性のあるYoutubeを作って、第2のスティーブ・ジョブズと呼ばれている。彼は、こう言う。

「アイデアなんてどこにでも転がっている。肝心なのはそれを実行することだよ。」

彼のようなプログラマは、最初にプロトタイプを作ってみる。そして、最も厳しいユーザである自分が使ってみて、あれが駄目だ、これが駄目だ、と学ぶ。 彼自身は、様々な他のプログラムを知っているから、多くの駄目出し、ができて、自分自身で修正する。そして、彼が満足するものに完成する。

手を動かして、初めてアイデアが具現化して、さらに、良いものへと昇華する・・・といえばよいだろうか。

これは、新しいビジネスモデルに、挑戦することにもあてはまるのではないか。

自分の場合は、都会から地方に来て、知的財産でビジネスを初めている。ちょっと考えただけでも、お先真っ暗だ。既存のビジネスモデルでは、崩壊する。なぜなら、僕の県には、弁理士が実質的には3人しかいない。特許が出来る先生は2人だけだ。つまり、仕事が無い、もしくは、仕事が無いと思われている。

しかし、地方でのビジネスを学ぶために、地方に実際に出てみて、プロトタイプのビジネスをしてみるというのも、上記の意見では肯定してもよい!?

様々な、角度からビジネスアイデアを考えなくてはいけません。幸い、知的財産という仕事は幅が広く、奥が深いため、今までとは異なるアプローチで、やっていけそうな手応えも感じはじめています。

そして、考えたアイデアに沿ったプロトタイプのビジネスを責任をもって、主体的に始めることが、僕にとって、作ってから学ぶこと、なのだろう。プロトタイプのビジネスから学び、大いに修正して、昇華したビジネスモデルへと将来、発展させていきたい。